アナログ完結型からWithデジタルへ。 ビルメンテナンス領域のDXに挑む「ビルメンクラウド」
「RITさんにたどりつくまでに、相当な時間を検索に費やしました。MVP(Minimum Viable Product)開発に優れた会社にお願いしたいと思っていたのと、新規事業の立ち上げなので、単なるシステム開発屋さんではなく、一緒にモノづくりを楽しんでくれる方たち……ゼロイチでまっさらな所から一緒に事業を進めていただける方たちでないと難しいと感じていたため、事業を一緒に作りあげていくようなタイプの会社さんを探していました。そのため、“MVP システム会社(ベンダー)”や“新規事業開発 システムベンダー”といったワードで、ひたすら検索しました。」
そう語るのは、ユアマイスター株式会社ビルメンクラウド開発責任者である久保拓也氏だ。ビルメンクラウドは、ビルメンテナンス業界に特化したクラウド型施工管理システムである。従来よりビスメンテナンス業では、案件や人員管理、それに付随する事務処理などの大半は人の手を介して処理するというのが業界の通例だったが、ビルメンクラウドは従来アナログで処理されていた部分をデジタル化。それによって業務の効率化・高収益化を実現するという、業界に新たな風と体験をもたらす期待のサービスだ。
「最終的にRITさんに決めた理由はスピードとクオリティです。僕らがお伝えした要件は、まだあいまいな部分が多い状態でした。その当時、ユーザーリサーチが終わったぐらいのタイミングでしたので、具体的なイメージもそれほどなく、こんな系統のものを作りたいと、2枚程度でまとめた要件をお渡しして概要やユーザー像をご説明したところ、約1週間で大枠のモックやこういった機能群が必要ではないかという事例など、蓋然性の高い提案をいただけました。このスピード感を見たときに、“RITさんなら自分達の考えるスピードで事業立ち上げができる”と思いました。」
ユアマイスターでは、開発は基本的にワンスプリント1週間というスピード感で回している。他にも数社ほど目星をつけていた開発会社があったが、ほとんどの会社は1週間で見積までしか出てこなかったので、当然ながら具体的にどういう取り組み方ができそうか、スプリントをどう回りそうかという踏み込んだイメージがわかなかったという。スピード感だけでなく新規事業開発に対する温度感も含めて、一緒にできそうだと思ったのが決め手だと、久保氏は語る。
開発フェーズや状況による適切なリソース提供でチームにアライン、フィットできるのは特筆すべきスキル
ビルメンクラウドとRITの関係は、お互いに肩を組んでやってる仲間であり社外という感覚は一切なかったという。“何故これをやりたいか”や“どうして作りたいか”というビジョンや志を共にしている感覚でプロダクトを作り、事業を伸ばすことができたと久保氏は言う。
さらにRITの強みについて、久保氏は次のように分析する。「(コミュニケーションやワークスタイル、考え方などの)カルチャー、開発プロセスに対してアラインする力が強いところだと思います。開発力もさることながら、コミュニケーションやカルチャーフィットしているかどうかによって、進捗って絶対に変わりますよね。実はここ最近、別のベンダーさんと一緒に開発する機会がありましたが、あまりカルチャーフィットしませんでした。RITさんの成功イメージがあったので、“簡単にいくでしょ”と考えていましたが、なかなかうまくいかなくて。RITさんのアライン力は相当特異な能力だと思います。」
ビルメンクラウドの開発を通じて、開発プロセスを見直さなければいけない場面の見極めや、どうスプリントを回すとうまくいくのかという自分の中での気付きや体感したものを、逆に社内に輸入することもできたという久保氏。開発手順や物事の進め方としてすごいリーズナブルで合理的な判断をしつつ、チームフィットさせていくことができるのはRITの誇るべき特徴だと、我々にとってありがたいお言葉をかけてくれた。
「もう少し突っ込みますと、アジャイル型と言いますか、ある程度プロダクトドリブンで行っている会社には自然とフィットするというのが一つと、もう一つは恐らくですが、仕事の進め方としてBiz主導の会社さんでもRITさんと一緒にやると、プロダクトドリブンとはどのようにやっていくのか、beアジャイルにはどうやったらなれるのか、というようなところが体感できるのではないかと思います。そのため大企業の新規事業との相性も良いでしょうし、僕らのようなスタートアップの新規事業開発との相性も良いだろうという印象を持ちました。」
RITとの共存を想定した内製化が今後の開発におけるポイント
今後のビルメンクラウド開発の方向性について尋ねたところ、次のように久保氏は言う。「今後ですが、開発スピードを上げるために内製化を予定しています。ただし内製化はしますが、できたらRITさんとの共存型でありたいと思う部分があります。今回Blitz.jsという極めて新規性の高い技術選定をしたこともあり、それらをラーニングしていく必要があるため、RITさんからどんどんナレッジトランスファーしていくことを第一に考えています。」
新規機能の追加だけでなく、既存のプロダクトも徐々に拡大したために、その運用や機能・パフォーマンス改善も課題になっている。新規機能開発・運用・パフォーマンス改善という3つが並んだ時に、この新規機能開発はゼロイチで作るものなので、RITと共成した方が早い、この機能開発をしながらパフォーマンスと運用のところを社内で内製していくなど、やりたい事をベースに分担しながらできるような組織体制を構想しているという。一方、もしベンダーを探している企業がいたらRITを推せるかという少々変化球気味の質問に対して、久保氏は次のように答えてくれた。
「新規事業開発において、最初の発射角を短期間でぐっと作りに行くという時にはかなり良いと思っています。ゼロイチで作っていきたい、でもリソースの関係で社内のエンジニアを使う訳にはいかない……という、当社と同じような状況であったり、“今までのアーキテクチャなども一切無視して別インスタンスで立てて作れる”というようなものがありましたら、もうすぐに紹介します。絶対良いと確信をもって言えます。」
ビルメンクラウドを武器に、2022年5月にソフトバンクロボティクス株式会社と業務提携をし、ソフトウェアの観点からビルメンテナンス領域のDXをより促進していくフェーズに突入したユアマイスター株式会社。我々RITも持ち味として評価いただいた部分に磨きをかけ、引き続きビルメンクラウドのDXへのチャレンジを全力でサポートしていく。
※撮影時のみマスクを外しております。
プロジェクト概要
クライアント名 | ユアマイスター株式会社 |
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PJカテゴリ |
プロジェクトメンバー
福田 哲也
CTO
長田 逸平
COO
金森 祥治
デザイナー